19歳の娘が、我が家から巣立って行きました。

東京の大学に進学したものの、コロナの影響で春からずっと上京出来ずにいた娘。

2週間前にやっと上京の日を迎え、産まれた時から19年間過ごした我が家から

一人で巣立って行きました。

 

娘は、産まれてから今日までの19年間、本当に手のかかる子でした。

やんちゃで、わがままで、寂しがり屋で、自分勝手で、人の話が聞けなくて、

何でも人に頼ってばかりで、学校では友達とケンカばかりして、

中学生の途中まで勉強も出来なくて、いつもママ!ママ!とまとわりついて、

そんな娘からは方時も目が離せなくて心配で…

 

そんな娘もすっかり大人になり

今では親を気遣ってくれる優しい心と

勉強を頑張る志高い心を持つ娘になりました。

 

私のこの19年間はいつも子供中心でまわってきて

自分の時間が欲しくて、早く巣立って欲しいと思ったことも何度もありました。

でも、娘が中学生になった時に

今のこの貴重な時間は有限であると強く意識する様になりました。

この日が来ることを分かっていたからこそ

娘のことは、どれだけわがままな意見であっても、まずはとにかく全て受け入れて、

共感して、優しく聞いて、折に触れて諭して、と努めて来ました。

でも、今こうして巣立ってみると

本当に私は良い親だったのか、もっとやってあげられることがあったんじゃないかと

後悔する気持ちもあります。

 

幼い頃の娘に私はとにかく叱ってばかりでした。

周りと同じ行動が取れない上に、他所のお子さんに迷惑ばかりかけるのが

小学生の間までずっと続き

学校の先生からも何度も呼び出しのお電話を頂きました。

どれだけ叱っても、怒っても、諭しても

全く言うことを聞いてくれず反抗ばかりする娘に

当時の私はもうどうしていいか分からずに

途方に暮れていました。

そんな時に出会ったのがキリスト教の理念を基に

心の教育に力を入れている地元の中高一貫校でした。

娘もその学校のシスターのお話に夢中になって聞き入っており

娘自身、誰にも理解してもらえない苦しさに救いを求めていたんだなと感じました。

 

おかげ様で、その中高一貫校は一律に生徒に同じ行動をする様に求めることはなく

娘の様に周りからはみ出してばかりの子でも

とてものびのびと過ごさせてもらうことが出来ました。

娘に良く合う学校と出会えたことは娘の一生の宝となり

今でも感謝の念に絶えません。

 

しかし、その中高一貫校に入学するということは

ほぼ9割方、東京の系列大学

又は推薦で地元以外の大学に進学することが決まっていた様なものでした。

心のどこかで、地元の大学に進学するかもしれないという期待も抱きつつ、

娘が遠くに離れてしまう前提の日々が始まったのです。

 

娘と一緒に暮らす家族として過ごせる夏はあと5回、冬はあと4回…と

何度心の中で数えたことでしょう。

ついに、娘と過ごせた最後の冬も終わり

いよいよ上京まであと数日と迫った春、

コロナの影響で少なくとも上京が半年遅れることが決まりました。

残念がる娘には申し訳ないですが、良かったと喜ぶ自分がいました。

 

そこからの半年は、幼稚園の頃以来の

密接した時間を娘と過ごすことが出来ました。

思えば、小学生になってからは習い事も増え

娘が家にいる時間は少なくなっていました。

半年間の思わぬボーナス期間を神様から頂けたことは

私にとっては本当に宝物の時間となりました。

しかし、これ以上貴重な大学生活を自宅で送るのでは娘が気の毒過ぎます。

まだ、あと半年間上京しない友人もいる中

娘は早めに上京することを決めました。

 

娘の晴れの門出です。

駅ではしっかり泣かないで見送ることが出来ました。

でも…

一人で飛行機に搭乗した娘からLINEで

「19年間本当にお世話になりました」というメッセージをもらった瞬間

抑えていた涙が止まらなくなりました。

私は本当に19年間、きちんと娘を世話してこれたのかな…。

あんなに手がかかって私をいつも困らせた娘。

いつの間にか、私がいなくてもしっかりやって行ける様になったんだ。

ありがとう神様。

私に娘を預けて下さって…。

ここまで何とか無事に育てて来ました。

あと、もう一息で本当に親の役目を終えることが出来ます。

きちんと出来たかは分からないけれど

私なりに、私の全精力を注いでここまで愛して育てて来ました。

もう…社会にお返しする時期が来たのですね。

これから娘は、今まで周りからたくさん受けた愛情を

今度は周りに与えていく立場となります。

神様、どうか娘を見守ってやって下さい。

私を親に選んでくれてありがとう。

私に親子の愛を教えてくれてありがとう。

私は今世では親になる経験を与えられましたが、

来世では娘とはどんな関係性で巡り合えるのかな。

 

来年の春には息子の巣立ちも控えている我が家。

年子で産まれて、忙しくて忙しくて…

そんなことを思っていた日々ももう遠い思い出の中です。

息子との残された日々を大切に

まずは先に巣立った娘に

「こちらこそ、うちに産まれてきてくれてありがとう。

これからもずっと応援してるよ。

困った時や寂しい時はいつでも帰っておいでね。

ママはいつだってここにいるよ。」と伝えました。

 

さようなら。

幼かった娘。

これからは大人になった娘と

親の役目を半分終えた状態で

対等に人間同士として付き合っていきたいな。

 

人間の子育てって盲導犬のパピーウォーカーに似てる。

時期が来れば離さなきゃいけないことを分かった前提で預かって

愛情をたくさん与えて社会に貢献出来る子に育てる。

私は良いパピーウォーカーだったのかな…。

娘にとっても社会にとっても…。

とにかく、ここまで無事に辿り着けたことに

今は感謝の気持ちでいっぱいです。