我が家では、2年8カ月前からクサガメを飼っています。
名前は「カプリ」。
飼い始めの赤ちゃん亀だった頃に
水槽のガラス越しに指を追ってカプリカプリと噛みつくしぐさから息子が命名しました。

もう大きくなるのは止まってきたかな?
オスと推定。
実はカプリ、1年6カ月前の生後1年2カ月頃に
マンション3階のベランダから落下して危なく命を落とすところだったのです。゚(゚´Д`゚)゚。
カプリはベランダでの日光浴を日課にしていました。
いつもはベランダの隙間から落ちそうなので日光浴中はずっと見張っていたのですが
その日の朝はベランダの隙間にネットを張って、カプリ一人で日光浴をさせてみることにしました。
ほんの3〜4分目を離し、またベランダに戻ってみると…
カプリがいない∑(゚Д゚)
慌ててベランダの外を覗くと
下の駐車場のアスファルトの上にひっくりがえっているカプリが見えました:(;゙゚’ω゚’):
慌てて階段を駆け下りカプリを拾ってみると、甲羅は割れていませんでした。
良かった!
急いで箱に新聞紙をひいたものにカプリを入れ
近くの爬虫類も診てくれる動物病院に連れて行きました。
甲羅の欠けと剥がれはあるものの、まだ普通に動いていたので
大丈夫かなと一瞬思ってしまいましたが…
先生から、まず人にぶつからなくて良かったというお叱りと(−_−;)
パック入りの豆腐と一緒で、外側は大丈夫でも内蔵はつぶれている可能性が高く
レントゲンで骨折はみられないが、内臓の損傷は数日経たないと分からないと言われました。
しばらく水には入れないで新聞紙の上で飼う様に言われ
痛み止めと抗生剤の注射、剥がれた甲羅の消毒をしてもらってその日は帰りました。
しかし、帰ってすぐにカプリの閉じた口と鼻の穴にうっすら血が滲んでいるのに気が付きました。
さっきまでは無かったはずの血…やはり内臓の損傷が疑われました。
病院とは違って動かず目をつぶってじっとしたままです。
その数時間後には新聞紙の上で手足も首もだらっと伸びた形で眠る様になりました。
次の日の朝、ドキドキしながらカプリをつついてみると…
生きてます!
良かった!
しかし、その日もダランとした様子で一日中眠っていました。
その次の日、まだ生きてる…とホッとしながらまた動物病院へ連れて行きました。
先生がカプリの足を引っ張るとピッと引っ込めます。
まだ力がありますね、と言われましたが
非常に厳しい状態で助からない可能性が高いと言われてしまいました…(ToT)
その日も抗生剤の注射と甲羅の消毒をしてもらって帰りました。
それから週2回病院へ通い、注射と消毒の日々が2カ月以上続きました。
一回2千円くらいかかる病院代…
980円で買った亀に3万円以上かかりましたが
私の不注意でカプリをこんな目に合わせてしまった申し訳なさから
ただただ病院へ通うことしか出来ませんでした…(T-T)
この間、餌は全く食べず、一日一回水に入れての水分補給。
でも、水も飲んでいない様子で、鼻からピュッと血の塊が出てきます。
まだ内臓出血が止まっていない証拠です。
水に栄養剤を混ぜたり、餌を細かく砕いて入れてみたり色々試しましたが
あんなに太っていたのにどんどん痩せて軽くなっていくカプリ…。
先生から、胃に穴を開けて餌を直接入れる「胃ろう」という方法もあると聞かされましたが
本来はもっと弱った状態でやるもので
今のカプリの状態なら力もあるし、暴れて厳しいかなということでした。
ただ、「胃ろう」は効果ありますよとも…。
病院通いも2カ月を過ぎた頃に先生から、しばらくお休みしませんか?と言われました。
状態が良くも悪くもならず、ずっと同じで
注射をすると明らかに辛そうなカプリの負担になっているかもしれない。
抗生剤としては十分効いているはずなので、しばらく休んで様子を見ませんかとのことでした。
…きっと先生も、このまま助かるか分からない亀にかかる費用と治療効果の無さに困ったんだと思います。
先生にも見放された気分で落ち込んで帰ったのを覚えています( ; ; )
相変わらず餌を一切食べずに、ジッと新聞紙の上でうずくまっているカプリ。
一日の大半を動かずに眠っています。
鶏のレバーなら食べるかと水に入れてあげてみると、口には入れるものの吐き出してしまいます。
多分、口か喉が痛いのかもしれません。
先生は2カ月以上の絶食は限界だと言ってました。
…決心しました。
もう一か八かで、ペースト状にした人工餌を、胃ろう代わりに口に注射器で入れてやろう!
さっそく100均でコスメ用の注射器を買い、カプリに餌をあげてみました。
幸いカプリの口は先が欠けていたので、そこから無理矢理注射器の先をこじ入れます。
暴れてオシッコを漏らして怒った目で抵抗してくるカプリ。
せっかく口に入った餌も吐き出し、鼻の穴からも逆流してきます。
もう、心を鬼にしまくって泣きながら毎日餌を口に入れ続けました。
そして3〜4日した頃
2カ月ぶりにフンをしました!!
やっぱり少しでも食べれていたんだ!
これで助かるかもしれない!
やっと希望が見えてきました。
しかし…タイミングの悪いことに
カプリの事故の数日前に、夏休みに一週間の予定で家族旅行の予約をしてしまっていたのです。
こんな状態のカプリを一人で置いて行けない…。
それまで約3カ月間新聞紙の上で飼っていましたが、一週間も水無しは確実にカプリの命に関わります。
悩んだ末、久しぶりにカプリを元いた衣装ケースに水を張って入れてみました。

↑衣装ケースは、こういう風に深さがあって
上から下までまっすぐな作りで、キャスター無しが
紫外線ライトの設置や水の重量を考えると使い勝手が良かったです。
そして餌を浮かべると…
食べた!!
約3カ月振りに自分で餌を食べた!!
やっぱり水棲亀のクサガメは水の中にいる方がいいんだ!
もう、そこまで回復していたんだ!
家族中で本当に大喜びしました.°(ಗдಗ。)°.
それから、全く何も無かった様に普通に餌を食べてフンをし始めたカプリ。
きっと旅行が無かったらまだ新聞紙で飼い続けていたはずです。
おかげで旅行中も無事に留守番をして、今に至ります。

あの事故以来、高い所には慎重になったカプリですが…



まだやっちゃいますね(^^;)
ちなみに、3階のベランダからアスファルトの地面に落下したカプリが助かった要因について推察してみました。
・仰向けで地面に落ちていたカプリの背中の甲羅は無傷でお腹側の甲羅が欠けていたことから、ベランダから落下の際に、下の階のひさしでワンバウンドしていたと思われます。衝撃がモロに落ちた場合よりも大分少なっかたのではないでしょうか。
・まだ、甲長が10センチくらいと小さかったので衝撃も小さかった。
・すぐに病院で抗生剤の注射をしたことで、傷口からの感染を防げた。
・落下してしばらく水中での飼育をしなかったことで傷口が乾き、感染症を防げた。
・日頃太っていたので2カ月以上の絶食に耐えられた。
・最終的には口から無理矢理餌を食べさせたことで、体力と傷が回復した。爬虫類なので、少しのエネルギー摂取でも大きな効果があったと思います。
・回復後、水中飼育に戻したことで完全に復活した。
あの事故から1年6カ月経ちますが、今でも本当によく助かったと思います。
事故から完全復活までの約3カ月間、夫や子供達にもずいぶん心配をかけました。
たかが亀、されど亀…(´ー`)
命あるもの大切にしなければと改めて痛感させられた事故で、カプリに色々教えてもらった気がします。
